2023-11-16

Galaxy Z Flip5、大きくなったフレックスウィンドウで楽しさ拡がる

※このページの内容はウェブメディア『ケータイ Watch』(2023年9月19日掲載)の記事を一部再編集して転載したものです。

7月に開催された「Galaxy UNPACKED 2023 July」で発表され、8月22日に国内向けモデルが発表されたサムスンのフォルダブルスマートフォン「Galaxy Z Flip5」。国内ではNTTドコモとauから9月1日に発売された。筆者も実機を試すことができたので、レポートをお送りしよう。

サムスン/NTTドコモ/au「Galaxy Z Flip5」、開いた状態:約165mm(高さ)×72mm(幅)×6.9mm(厚さ)、閉じた状態:約85mm(高さ)×72mm(幅)×15.1mm(厚さ)、約187g(重さ)、クリーム(写真、auのみ)、ラベンダー(NTTドコモのみ)、ミント、グラファイトをラインアップ。

若い世代を中心に注目を集める縦折りフォルダブル

スマートフォンが登場して、すでに十数年。さまざまなサービスに対応しながら、ユーザーのニーズなどを追求してきた結果、スマートフォンのデザインはスレート形(板状)に集約されてしまい、利用スタイルもあまり変わらなくなってきてしまった。新機種に買い換えても変わりばえがせず、かつてケータイからスマートフォンに移行したときのようなワクワク感がないという声も多い。

そんな中、ここ数年、急速に存在感を増しているのが折りたたみデザインのフォルダブルスマートフォンだ。2019年9月にサムスンやファーウェイが相次いでグローバル向けに発表し、高い注目を集めたが、サムスンはGalaxy Z Fold」シリーズと「Galaxy Z Flip」シリーズという2つのスタイルのフォルダブルスマートフォンを展開し、世代を追うごとに耐久性や耐環境性能、ユーザービリティを改善してきた。モトローラの「moto razr 40 ultra」やGoogleの「Pixel Fold」シリーズなど、ライバル機種も増えてきたが、「Galaxy Z Fold」シリーズと「Galaxy Z Flip」シリーズは、フォルダブルスマートフォンをリードする存在になりつつある。

サムスンの2つのフォルダブルスマートフォンのうち、昨年あたりから急速に注目度を高めているのが縦方向に折りたたむ「Galaxy Z Flip」シリーズだ。2020年2月に米サンフランシスコで開催された「Galaxy UNPACKED」で「Galaxy Z Flip」が発表され、その後、同年秋には5G対応モデル「Galaxy Z Flip 5G」を発売。2021年には防水とおサイフケータイに対応した「Galaxy Z Flip3」を発売し、昨年の「Galaxy Z Flip4」は韓国ドラマやK-POPなどの影響もあり、若い女性を中心に着実に支持を拡げ、肩からポーチのように斜めがけで「Galaxy Z Flip」シリーズを持つスタイルを見かけることもある。

サムスンの2つのフォルダブルスマートフォンは、単に縦折りと横開きというフォームファクターの違いだけでなく、ユーザー層にも少しずつ違いを見せる。横開きの「Galaxy Z Fold」シリーズは開いたときの大画面を活かし、映像やコミックなどのコンテンツを楽しむユーザーをターゲットにしているのに対し、縦折りの「Galaxy Z Flip」シリーズは折りたたんだときのコンパクトな持ちやすさとフレックスモードでの自由な使い方、特に自撮りを楽しみたいユーザーを対象としている。かつてのGalaxyであれば、「Galaxy Z Fold」を軸にプッシュしてきただろうが、今回の「Galaxy UNPACKED」や国内で開催中のプロモーションなどを見てもわかるように、「Galaxy Z Flip」を前面に押し立て、よりカジュアルなユーザーに楽しんでもらいたいと考えているようだ。今回、サムスンは東京・世田谷の下北沢で「Join the flip side@シモキタ」と題したタッチ&トライイベントを9月10日まで開催していた。筆者は自宅から近いこともあり、何度か会場付近を通ってみたが、情報感度の高い人が多いとされるシモキタらしく、多くの人が楽しんでいたようで、なかなかの賑わいを見せてきた。

デュアルレール構造のフレックスヒンジでスリムに進化

まず、外観から、チェックしてみよう。発表時のファーストインプレッションでも触れたように、今回の「Galaxy Z Flip5」は外側のフレックスウィンドウ(従来モデルではカバーディスプレイと表記)が大型化し、「Galaxy Z Fold5」と同じように、ヒンジの構造が一新されたことで、ボディを折りたたんだときの仕上がりが大きく変わっている。

本体を閉じた状態。外側のディスプレイは大型化され、「フレックスウィンドウ」と改称。

本体背面はサラッとした触り心地。従来モデルと違い、上筐体はディスプレイが占めているので、ボディカラーはほぼ下筐体のみ。

「Galaxy Z Flip」シリーズは、一般的なスレート状(板状)のデザインのスマートフォンを縦方向に二つ折りにしたような形状で、折りたたんだときの2つの筐体をヒンジがつなぐ構造を採用している。有機ELの曲げられる特性を活かし、本体を折りたたんだ内側の部分は、ある程度、曲げに余裕を持たせるため、従来モデルでは少し隙間が空いていた。これに対し、今回の「Galaxy Z Flip5」は本体を閉じたとき、上下の筐体がほぼぴったりと合わさるように仕上げられている。「Galaxy Z Fold5」同様、デュアルレール構造のフレックスヒンジを採用したことで実現されているが、端末の開閉がスムーズになった点も見逃せない。

「Galaxy Z Flip5」(左)と「Galaxy Z Flip4」(右)を閉じたところ。上下筐体の合わせが大きく改善され、「Galaxy Z Flip5」はほぼ隙間が見えなくなった。

ちょっと話を脱線すると、日本のユーザーにとって、折りたたみというと、ケータイ時代に全盛を極めた折りたたみデザインがあり、後にヒンジ部分に備えられたボタンを押すと開く『ワンプッシュオープン』が搭載され、広く支持されていた。こうした体験が影響して、「Galaxy Z Flip」シリーズや「moto razr 40 ultra」のような『手動で開く』折りたたみデザインは、多くのユーザーが端末を開きにくいと考えるかもしれないと危惧していた。しかし、世代を追うごとに改善され、今回の「Galaxy Z Flip5」では、かなり軽快に端末を開けるようになった。もっとも、後述するように、端末を開かなくてもアプリやウィジェットなどが利用できるため、従来よりも端末を開くシーンは少なくなるかもしれないが……。

ボディ幅は約72mmで、純正アクセサリーとして販売される「Flipsuit Case」などのケースを装着した状態でも約75mmに抑えられている。同時に、ヒンジが大きく改良されたことで、ボディの厚みも大きく変わり、開いた状態で約6.9mm、閉じた状態でも15.1mmに仕上げられ重量も一般的なスマートフォンと変わらない187gにまとめられている。閉じた状態は非常にコンパクトで持ちやすいサイズ感にまとめられており、女性がよく使うミニバッグなどにも入れやすいサイズと言えそうだ。

本体の右側面には指紋センサー内蔵電源ボタン、音量キー、左側面にはSIMカードスロットを備える。いずれも上側の筐体に備えられており、下側の筐体は下部にUSB Type-C外部接続端子を備える。イヤホンマイク端子は備えられていないため、サウンドは基本的に「Galaxy Buds」シリーズなどのBluetooth対応ワイヤレスイヤホンを利用する。

左側面は上筐体側にSIMカードスロットを装備。

右側面はシーソー式の音量キー、指紋センサー内蔵電源ボタンを備える。

本体を閉じた状態の下部。下筐体側にはUSB Type-C外部接続端子を備える。

端末を閉じたときに見えるヒンジ部分のカバーには、「SAMSUNG」のロゴが刻印されている。

生体認証は上筐体右側面の電源ボタン内蔵の指紋センサーによる指紋認証の他、顔認証にも対応する。Samsungアカウントと紐付く「Samsung Pass」を利用することで、Webサイトへのログインやアプリの起動時に指紋認証を利用できる。顔認証は端末を開いたときのインカメラを利用した場合だけでなく、端末を閉じた状態でもメインカメラで画面ロックを解除できる。端末を閉じた状態では端末の向き(角度)を意識せずにロック解除ができるため、非常に便利だが、ちょっとしたタイミングで意図せず、画面ロックを解除してしまうことも考えられるので、できれば、端末を閉じた状態と開いた状態での画面ロック解除の有無を選べるように仕様を見直して欲しいところだ。

電源ボタン(サイドボタン)指紋センサーによるロック解除は、メイン画面のみ、カバー画面のみ、両方、OFFから設定できる。

ピンで取り出すタイプのSIMカードトレイを採用。eSIMも利用可能。外部メモリーカードには対応していない。

耐環境性能はIPX8規格準拠の防水に対応する。防塵や耐衝撃には対応していないものの、フレームやヒンジは強度の高いアーマーアルミニウムを採用しており、開閉についても20万回の開閉テストをクリアするだけの耐久性を持つ。

バッテリーは従来の「Galaxy Z Flip4」と同じ3700mAhを搭載する。充電は本体下部のUSB TYpe-Cからの充電に加え、Qi規格準拠のワイヤレス充電にも対応する。ワイヤレスバッテリー共有を利用すれば、本体バッテリーの残量を使い、Galaxy BudsやGalaxy Watchなど、他のワイヤレス充電対応機器を充電することも可能だ。

チップセットは米Qualcomm製Snapdragon 8 Gen2を採用する。RAMは8GBで、ROMについてはNTTドコモが256GB、auが256GBと512GBの2モデルを販売する。512GBモデルはauオンラインショップのみでの販売になる。外部メモリーカードには対応していない。

ネットワークは5G SA/NSA、4G LTEに対応し、3G/GSMはローミング時のみの対応になる。5GについてはSub6に加え、ミリ波にも対応する。SIMカードはnanoSIM/eSIMのデュアルSIM対応で、NTTドコモとauはいずれもeSIMでの利用が可能。

プラットフォームはAndroid 13ベースのOne UI 5.1.1がインストールされており、日本語入力は独自のSamsungキーボードが利用できる。国内で販売されるAndroidスマートフォンは、ほとんどの機種がAndroid標準のGboardを採用しているが、サムスンはユーザーの使い勝手を考え、変換効率やカスタマイズ性に優れた独自の日本語入力ソフトを搭載し続けていることは、もっと評価されるべきポイントのひとつと言えるだろう。

パッケージにはUSB Type-Cケーブルを同梱。充電アダプターなどは別売。今回は紹介していないが、「データ移行ガイド」で説明されているデータ移行ツール「Smart Switch」はAndroidスマートフォン同士だけでなく、iPhoneからのデータ移行もしやすい。

大型化したフレックスウィンドウの意義

本体を開いたときのメインディスプレイには、フルHD+対応の6.7インチDynamic AMOLEDを採用し、リフレッシュレートは最大120Hzのなめらか表示に対応する。本体の外側のディスプレイは従来の1.9インチから3.4インチと大きくなり、上筐体のカメラ部以外の大半を占める大画面となっている。解像度も720×748ドット表示になり、従来の約4倍以上の表示を可能にし、ユーザビリティを大きく変えている。

メインディスプレイのホーム画面。Galaxy S23シリーズなどと同様のOne UI。上方向にスワイプすると、アプリ一覧が表示される。

ホーム画面で上方向にスワイプすると表示されるアプリ一覧画面。アプリは一画面内に表示され、続きは左にスワイプして、次のページに登録される。アプリ一覧画面内でフォルダーを作成することも可能。

ホーム画面で下方向にスワイプすると、通知とクイックパネルが表示される。
クイックパネルの小さめのアイコンだが、一画面に数多く表示され、キャプション(アイコン横の名称)もわかりやすく表記される。

ホーム画面だけでなく、さまざまなアプリを起動中、画面内のハンドル(出荷時は右側の上の方に表示)を内側にスワイプすると表示される「エッジパネル」。よく使うアプリや連絡先などをすぐに呼び出せる。[ツール]ではコンパスやカウンター、ライト、水平器、定規なども利用できる。

折りたたみデザインの端末は、かつてのケータイがそうであったように、コンパクトに持ち歩ける半面、端末を折りたたむと、操作ができず、さまざまな情報にアクセスできない制約がある。そこで、ケータイ時代は外側にサブディスプレイを備えていたが、現在の縦折りのフォルダブルスマートフォンでもこれを踏襲されており、従来の「Galaxy Z Flip4」などでもカバーディスプレイとして、搭載されていた。ただ、スマートフォンでは自撮りや動画コンテンツの視聴など、新しい使い方も拡がっており、小さなサブディスプレイでは存分に機能を楽しめないという声もあった。

今回の「Galaxy Z Flip5」が外側のディスプレイを「フレックスウィンドウ」という呼称に改め、3.4インチとサイズを大きくしたのは、端末を閉じた状態でもいろいろな機能を利用できるようにしたことが挙げられる。

[設定]の[カバー画面]で外側のカバー画面(フレックスウィンドウ)のカスタマイズが可能。壁紙などもここから選んだり、追加したりできる。

[設定]の[便利な機能]では[マルチウィンドウ]や[モーションとジェスチャー]などが設定できる。[ラボ]では「フレックスモードパネル]など、新しい機能を試すことができる。

「Galaxy Z Flip5」(左)と「Galaxy Z Flip4」(右)はボディサイズこそ、ほぼ同じだが、カバー画面(フレックスウィンドウ)のディスプレイが大型化され、デザインの印象は大きく変わった。

カメラについては後述するが、まず、端末を閉じた状態で指紋認証や顔認証で画面ロックを解除すると、下方向にスワイプしてクイックパネル、右方向にスワイプして通知を表示、左方向にスワイプしてウィジェットを表示できる。ウィジェットは「カレンダー」「天気予報」「アラーム」「歩数」が標準で登録されているが、「最近の通話」「スピードダイヤル」「タイマー」「1日の活動」「Financeウォッチリスト」などを追加することもできる。

端末を閉じた状態のフレックスウィンドウのホーム画面。指紋認証や顔認証でロックが解除されれば、最上部の錠前が外れる。右下の[カメラ]アイコンからカメラを起動可能。

フレックスウィンドウのホーム画面から右にスワイプすると、通知が表示される。

フレックスウィンドウのホーム画面から下にスワイプすると、クイックパネルが表示される。

フレックスウィンドウのホーム画面から左にスワイプすると、最初に[カレンダー]のウィジェットが表示される。

フレックスウィンドウのホーム画面から左にスワイプした2ページ目は、[天気予報]のウィジェットが表示される。上方向にスワイプして、スクロールさせて、より詳しい情報を確認できる。

フレックスウィンドウのホーム画面から左にスワイプした3ページ目は、[アラーム]のウィジェットが表示される。右上の[+]から新たにアラームも設定可能。

フレックスウィンドウのホーム画面から左にスワイプした4ページ目は、[歩数]のウィジェットが表示される。歩数や歩いた距離、消費カロリーなども確認できる。

フレックスウィンドウのホーム画面から左にスワイプした5ページ目は、アプリを選んで、起動できる。

また、「ラボ」で提供される「お試し機能」を有効にすれば、フレックスウィンドウ(カバー画面)で「マップ」「Netflix」「YouTube」を起動することもできる。たとえば、「YouTube」の番組などをワイヤレスイヤホンで聴きながら流しておき、気になるシーンはカバーディスプレイに目をやって確認したり、「マップ」ではルート案内を聞きながら、必要に応じて、カバーディスプレイでルートをチェックするといった使い方などが考えられる。

[設定]アプリの[便利な機能]-[ラボ]-[カバー画面で許可されたアプリ]で、フレックスウィンドウで起動できるアプリを選べる。

フレックスウィンドウに表示するウィジェットは、出荷時設定の他に、「最近の通話」や「タイマー」なども設定できる。

フレックスウィンドウで[マップ](Googleマップ)を表示。この状態から[ナビ開始]をタップして、ナビゲーションも利用できる。

フレックスウィンドウの壁紙は自分で撮影した動画なども設定できる。

フレックスウィンドウは壁紙も自由にカスタマイズできるが、純正アクセサリーとして販売される「Flipsuit Case」を装着し、下筐体の裏側に付属のパネルを入れると、そのパネルのデザインに合わせた壁紙がダウンロードされ、表示される。このパネルはサムスンオンラインショップで著名なアーティストのグラフィックを描いたものが販売されている。まだ種類はそれほど多いわけではないが、今後、さまざまなアーティストや企業とのコラボレーションで、「Galaxy Z Flip5」をもっと楽しめるパネル&壁紙が増えてくることを期待したい。

純正アクセサリーとして販売される「Flipsuit Case」を使い、付属の「インタラクティブカード」を内側にセットして、ケースを装着。

少しわかりにくいが、装着したインタラクティブカードのグラフィックに合わせた壁紙が設定される。このインタラクティブカードは壁紙がアニメーション表示された。追加カードはSamsungオンラインショップで1枚あたり1799円で販売されている。

フレックスモードを活かすフレックスモードパネル

一方、6.7インチのメインディスプレイは、一般的なスマートフォンと違い、端末を曲げた状態でも表示できる。「Galaxy Z Flip」シリーズでは端末を90度前後のL字に折り曲げた状態を「フレックスモード」と呼んでいる。YouTubeなどの動画は端末を開き、全画面で表示すると、より大きな画面で楽しめるが、フレックスモードに切り替えると、上筐体の画面に動画、下筐体に説明文というように、表示が切り替わる。動画のサイズは変わるが、端末を机の上などに置いた状態でも楽しみやすくなるわけだ。

本体を90度前後に折り曲げた「フレックスモード」で、さまざまな使い方ができる。

フレックスモードでYouTubeを再生すると、画面が上下に分割されて表示される。

このフレックスモードをより活かすことができるのが新たに追加された「フレックスモードパネル」になる。「Galaxy Z Fold5」のレビューでも触れたが、[設定]アプリの[便利な機能]-[ラボ]-[フレックスモードパネル]で有効にできる。フレックスモードパネルを有効にすると、フレックスモードに切り替えたとき、水平の画面左下付近にアイコンが表示され、ここをタップすると、下筐体の画面にツールバーが表示され、タッチパッドや通知パネルを表示したり、スクリーンショットなどの操作ができる。

[設定]アプリの[便利な機能]-[ラボ]では新しい機能を試すことができる。「フレックスモードパネル」もここから設定が可能。

[フレックスモードパネル]を有効にすると、フレックスモードで対応アプリを起動中、下筐体の左下にアイコンが表示される。

なかでも便利なのは動画再生時のパネルで、シークバーや早送り/早戻し、前後スキップなどのボタンが表示され、スライダーをドラッグして、好きな位置から再生を開始できる。このスライダーはYouTube以外の動画アプリなどでも利用できるものがあるため、いろいろなアプリで試してみるといいだろう。

YouTubeを起動中、左下にフレックスモードパネルのアイコンが表示された
フレックスモードパネルを起動すると、再生時のスライダー(シークバー)などが表示される。

その下に並ぶアイコンは、左から順に「画面分割」「クイックパネル」「スクリーンショット」「タッチパッド」が並ぶ。[…]をタップすれば、画面の明るさや音量を調整でき、[設定]アプリも起動可能。

フレックスモードパネルでタッチパッドを表示。ノートパソコンのタッチパッドのように使える。

フレックスモードパネルで画面分割を選び、上画面で[マップ]、下画面で[カレンダー]のように、複数のアプリを同時に表示して、操作することも可能。

自撮り、置き撮りを楽しめるカメラ

カメラについては、本体外側のフレックスウィドウの横に2つのアウトカメラ、メインディスプレイの中央上のパンチホール内にインカメラを備える。

背面にデュアルカメラを搭載。普段の撮影も自撮りもこの2つのカメラを頻繁に使うことになる。

アウトカメラはひとつが1200万画素(1/1.76インチ)のイメージセンサーにF1.8のレンズを組み合わせた広角カメラ(24mm相当)、もうひとつが1200万画素(1/3.2インチ)のイメージセンサーにF2.2のレンズを組み合わせた超広角カメラを搭載する。広角カメラには光学手ぶれ補正に対応し、最大10倍の超解像ズームも利用できる。インカメラは800万画素(1/3.2インチ)のイメージセンサーにF2.2のレンズを組み合わせたもので、固定フォーカスのみに対応する。撮影モードは標準で「ポートレート」「写真」「動画」が用意され、「その他」を選ぶと、「プロ」「ナイト」「シングルテイク」「スローモーション」「ポートレート動画」などを選ぶことができる。

「Galaxy Z Flip5」のカメラで、もっとも注目されるのは、自撮りをするとき、メインディスプレイ側のインカメラではなく、本体外側のメインカメラでの撮影がしやすいことが挙げられる。改めて説明するまでもないが、一般的にスマートフォンに搭載されるカメラは、インカメラよりもメインかめら(アウトカメラ)の方が高機能かつ高性能だ。「Galaxy Z Flip5」も同様で、フォーカス(ピント合わせ)ひとつ採ってもインカメラは固定フォーカス(おおよそこの付近にピントが合ってるように写る)に対し、メインカメラはPDAF(位相差検出オートフォーカス)に対応しているため、しっかりと被写体を捉え、ピントの合った写真や動画を撮ることができる。ただ、一般的なスレート状の端末では、ディスプレイが片側にしかないうえ、端末を何らかの形で持つか、立て掛けるしかないため、自撮りやグループセルフィーが撮影しにくく、失敗もしやすい。

夜景をバックに自撮りをするときは、このようにフレックスモードでカメラを起動し、フレックスウィンドウ側にもファインダーを表示する。

あとは手のひらシャッターでタイマー撮影をすれば、手ぶれも起きない。

これに対し、「Galaxy Z Flip5」は端末を折りたたんだ状態からフレックスウィンドウに表示された[カメラ]アイコンをタップするか、電源ボタンを2連打するだけでカメラを起動でき、フレックスウィンドウにはカメラのファインダー画面が表示される。画角やポーズを決めたら、あとはGalaxyではおなじみの手のひらシャッター(手のひらを見せると、一定秒数後にシャッターが切れる)や音量キーの押下で、簡単に自撮りができる。ちなみに、撮影時はファインダーを左右にスワイプして、動画撮影やポートレート撮影に切り替えたり、ピンチイン/アウトでズームをしたり、右上の[▽]ボタンからカメラの設定を変更することもできる。

また、閉じた状態の端末を持つのではなく、フレックスタイルでカメラを起動し、端末を机や棚などに置き、フレックスウィンドウを見ながら、手のひらシャッターで自撮りやグループセルフィーを楽しむといった使い方もできる。

こうした自撮りや置き撮りは、まさに今のスマートフォンのカメラの利用スタイルを反映したものであり、普段から自撮りを楽しんでいる若い世代のユーザーにはぜひ一度、デモコーナーなどで試してみて欲しいところだ。

夜景を「写真」モードで撮影。自動認識で[夜景]がオンになるが、「ナイト」で撮影したときよりも明るさを抑えた撮影ができる。

遅めの夕景をバックにライトアップされた噴水を撮影。

超広角カメラでワイドに撮影。

自由なスタイルで楽しめる新しいスマートフォン

完成度が高まり、製品として成熟してきたと言われるスマートフォン。しかし、その一方で、変わりばえしないモデルを何となく選んでしまい、周期的に買い換える人も少なくないと言われる。そんな中、ここ1~2年、新しいスマートフォンのフォームファクターとして、注目を集めているのがフォルダブルだ。なかでもサムスンの「Galaxy Z Flip」シリーズはフレックスモードと端末を折りたたんだ状態でのユーザビリティを着実に進化させ、自由なスタイルで楽しめるスマートフォンを追求してきた。今回の「Galaxy Z Flip5」ではフレックスウィンドウが大型化され、一段と多彩な機能を楽しめるように進化を遂げている。

純正アクセサリーとして販売される「Flap Eco-Leather Case」。価格は1万7710円。ヴィーガンレザーを採用し、柔らかい触り心地。

純正アクセサリーとして販売される「Silicone Case with Ring」。価格は8910円。ヒンジ部分にリングを備えたケース。

端末としての完成度も高く、機能的にも魅力的なモデルだが、はじめてのユーザーにとって、気になるのはやはり、使っていくうえでの耐久性と価格だろう。耐久性については本人の扱い方次第の部分もあるため、一概に言えないが、世代を追うごとに堅牢性は高められているうえ、「守る」だけでなく、「楽しさ」も加えたアクセサリー(ケース)が充実している。これらに加え、NTTドコモでは「smartあんしん補償」、auでは「smartあんしん補償」をそれぞれ提供し、ドコモショップ「Galaxyリペアコーナー」や「Galaxy Harajuku」などのサポート体制も整え、ユーザーが安心して利用できるようにしている。

一方、価格面についてはNTTドコモが16万820円、auが256GBモデルで15万4300円、512GBモデルで17万9900円で販売されており、「Galaxy Z Fold5」ほどではないものの、なかなか『いいお値段』となっている。ただ、両社が提供する残価設定ローン型の端末購入プログラムを使えば、2年後の返却を条件に、月額4000円以下の負担で手にすることができ、実質負担額も7万円台後半から8万円台後半に抑えることができる。「返却するのは……」という考えもあるが、逆に進化の著しいフォルダブルだからこそ、2年後に次期モデルに買い換えるという考えも悪くない。

もちろん、ミッドレンジクラスのモデルに比べれば、価格は高いわけだが、価格に見合うだけでの楽しさや機能、イノベーションが詰まったモデルであることは間違いない。何となく選んでいる『あのモデル』より、自由なスタイルで存分にスマートフォンの楽しさを拡げることができるはずだ。

端末はドコモショップやauショップ、Galaxy Harajukuで試せるほか、サムスンが全国各地でデモコーナーやキャラバンを展開している。ぜひ一度、実機を手に取り、自撮りを手はじめに、自由なスタイルで「Galaxy Z Flip5」のポテンシャルを体験していただきたい。

Galaxy Harajuku

2019年3月、東京・原宿に誕生したGalaxyブランドのショーケース。

地上6F・地下1Fの全7フロアで構成されるGalaxy世界最大級の規模を誇る当施設では、新製品のタッチ&トライなど、Galaxyブランドの世界観を一度に体験することができます。

Galaxy Harajukuの詳細はこちら

その他のオススメ情報

Samsung Members

Smart Switch(スマートスイッチ)

Smart Switchで
簡単データ移行

Galaxyのおトクな
キャンペーン情報